その研修ではOJTという言葉が連呼され、仕組みとして初めて導入されたみたいな基礎的な説明がされた。全くバカバカしい研修で、かかった費用を考えた指導主事に損害請求した方がいいレベルだった。
教員という仕事はOJT以外に学ぶことなど不可能な職種なのだ。今も昔もそれは変わらない。教員採用試験を受けるときに相談した小学校時代の恩師に最初に言われたのは、採用されても素人に過ぎないということだった。
実際に現場に配属されると、大学で学んだことなど、机上のことに過ぎず。先輩の指導がすべてと言ってもよかった。教科の専門的な知識以外は教育実習ですらそれほど役に立たないほどだ。ベテラン教員ほど仕事は盗めとかほざいていたのも印象的だった。イマドキ徒弟制度かとも思ったが、そんなことを言う教員ほど参考にならなかった。
教員という仕事は現場でしか学べない部分がメインで、大学での専門教育で身につけることはマニュアル化可能なことなのだが、実際に現場に出てみると、マニュアル化が全くなされていなかった。文書化し無くてもなんとかなる時代があったからだ。教員に権威があった頃の話しだ。今はサービス業的に振る舞うことすら普通だ。これは大卒という学歴が珍しくなくなったことと、情報という点では誰でも横並びになったせいだろう。
今更偉ぶったところで浮くだけだし、偉ぶったところがない教員になろうとこの道を選んだのだから、仰いで尊がられなくてもいいが、生徒に指導が入るようなシステムは維持したいものだ。学校というくくりが崩壊しかかっているような気がする。現場ではOJTで良い部分も悪い部分も受け継がれる。まずやるべきは現状の立て直しであって受け流しじゃまずいだろう。