2011年4月27日水曜日

今更OJTの強化をする学校

 主任教諭という身分が主幹の下に設定されて、指導的立場で現場の若手を指導するという制度ができた。少し前の話しだ。

 その研修ではOJTという言葉が連呼され、仕組みとして初めて導入されたみたいな基礎的な説明がされた。全くバカバカしい研修で、かかった費用を考えた指導主事に損害請求した方がいいレベルだった。

 教員という仕事はOJT以外に学ぶことなど不可能な職種なのだ。今も昔もそれは変わらない。教員採用試験を受けるときに相談した小学校時代の恩師に最初に言われたのは、採用されても素人に過ぎないということだった。
 実際に現場に配属されると、大学で学んだことなど、机上のことに過ぎず。先輩の指導がすべてと言ってもよかった。教科の専門的な知識以外は教育実習ですらそれほど役に立たないほどだ。ベテラン教員ほど仕事は盗めとかほざいていたのも印象的だった。イマドキ徒弟制度かとも思ったが、そんなことを言う教員ほど参考にならなかった。
 教員という仕事は現場でしか学べない部分がメインで、大学での専門教育で身につけることはマニュアル化可能なことなのだが、実際に現場に出てみると、マニュアル化が全くなされていなかった。文書化し無くてもなんとかなる時代があったからだ。教員に権威があった頃の話しだ。今はサービス業的に振る舞うことすら普通だ。これは大卒という学歴が珍しくなくなったことと、情報という点では誰でも横並びになったせいだろう。

 今更偉ぶったところで浮くだけだし、偉ぶったところがない教員になろうとこの道を選んだのだから、仰いで尊がられなくてもいいが、生徒に指導が入るようなシステムは維持したいものだ。学校というくくりが崩壊しかかっているような気がする。現場ではOJTで良い部分も悪い部分も受け継がれる。まずやるべきは現状の立て直しであって受け流しじゃまずいだろう。

2011年2月1日火曜日

小中連携

 もう10年くらい前から盛んに、いや無理矢理話題になるトピックに「小中連携」がある。小学校と中学校の教育活動を連携させようというしごく真っ当な取組なのだが、現場では余計な仕事扱いだ。
 お上がやれという連携がピントハズレで通常の教育活動に支障をきたすことばかりなのだ。小学校に中学生を連れていって授業の手伝いをさせるとか、中学校の部活動に小学生が体験入部とか、小学生相手に中学校の教師が授業をしたりチームティーチングをするとか、素人の思いつきのレベルで教育の専門家ならいや、現場を知っている人なら提案しないだろう。
 どこの学校だって通常の教育活動を行うことだけで精一杯。余計な活動はできれば避けたい現状にある。授業の質や、レベルの維持ではなく、授業時間数の徹底管理を始めたのはお上であり、そのことで伝統的に続けてきた行事を切らなければならない状況なのに、そこに思いつきとしか思えない小中連携行事を突っ込もうというのだから抵抗があるに決まっている。時間は有限なのだ。
 自分は小中連携の研究校として2年間研究をやったが、でた結論が「無理」だと本当は発表したかった。偉い人がきて非現実的な物語を語っていったが、たぶん全員がそんな絵空事の連携なんて無意味だと思っていたことだろう。お上から出る色々なアイデアはお金も時間も使わないでやれという無理難題ばかり。授業は減らさず行事を組むことがもう無理だって現場の人間は誰だって知っている。

2010年7月29日木曜日

研修の強要

 自分が勤めているところでは、教員に半日を一単位として二単位の研修を強制している。大学と提携していたりしているので、タダで研修が受けられるならいいじゃないかという感じもしなくはないが、同僚の反応は概ね悪い。自分もリストを一通り見て受けたい講座があまりないことに気がついた。
 今日はその研修のひとつ目で、問題行動の行動心理学といった講座だったのだが、新規採用の教員向けとはいえあまりの初心者向けなのに驚いた。今まで読んだ心理学の本に3回は出てきたであろう定番な話で、教員採用試験を受けた人なら聞く必要のない類の講義だった。大学の講師なので学部の生徒にする授業をそのままやっているようだ。
 僕らは現場にいる。今目の前の生徒にどんな指導をするかで毎日悩んでいる。講師は現場の経験が豊富な人なのに教科書通りの理論を解説してどうする。あきらかに教育委員会との連絡不足だ。あの講義で勉強になりましたとかいう現役教員がいたら、それは勉強不足も甚だしい。
 通常勤務の時間を割いて、交通費と講義代と場所代を公費から支出してあの講義を毎年やっているなら納税者のみなさんは怒るべきだ。こうして現役の教員が無駄だと発言し、管理職にもこの通り報告しても変わらないのが教育委員会の愚かさなのだ。

2010年7月9日金曜日

教員の研修

 基本的には日々研鑽に励むのが仕事の一部ということになっているのですが、こと生徒指導に関しては手をかけようとすれば無限にやることはあるし、ねばならぬ型のお上からの押し付け仕事を真面目にこなしていたら研修に割ける時間なんて勤務時間中にあるわけもないのが実情です。
 そこで、教員を都や市区で研修を義務として押し付けてくるようになりました。現在公式に教員が義務付けられている研修は初任者研修と10年研修だけで、組合に問い合わせてみると市区町村の教育委員会に研修を義務付ける権限はないそうです。だから市区町村が義務付ける研修は校長命令としての拘束力しかなく、普通に休暇で休んでも構わないとのこと。それでもなかなか休めませんね。
 勉強することはいいことだと思うのですが、自分にとって必要な講座がないことも多く、半日を一単位として二単位とれとか平気で命令してきます。分かっている管理職は本来の研修とかけはなれていることをなげいてます。まあ結局受けさせられるんですけどね。
 免許更新制にしてもいいから仕事の妨げになるような研修の強制はやめてほしいです。

2010年7月2日金曜日

調整休

 東京都では少し前まで調整休という仕組みがあった。勤務時間を越えて会議が延びたりすると「今日は調整1とします」などと管理職が言い、別の日に1時間早く帰れたりするシステムだったのだけれど急に無くなった。
 とてもいい加減な仕組みだったので、おそらくは議会とかでやめろと言われたのだろう。まあそれはいいのだけれど、教員の仕事では勤務時間外の保護者との面談や、地域の支援団体などとのミーティングなどが頻繁にある。そういった残業に対して管理職が出席を命じることができなくなってしまった。
 もともと教員には残業代に位置付けられる手当が一定額付いているのだが、聞くところによると8時間分だそうで、普通に仕事している教員なら毎日2時間は残業しているから、4日分にしかならず、その命令が手当の分なら他の日に何時間も残っているのはサービス残業なのってことになる。しかも致命的なのは生徒指導上必要なときや旅行行事のときくらいしか残業の命令が出せないようになっているらしい。だから5時過ぎて仕事をしているような状態はサービスというか仕方なくしている残業で賃金は出ていないと考えてもよいものだ。
 地域の人との寄り合いや、お祭りのパトロールも参加するように命令できない。地域の中の学校として教員が仕事で参加ではなく個人で活動するというのも変な話だ。もう少し柔軟に勤務を組み替える仕組みが必要だと思う。こうなると調整休って便利な仕組みだったんだなと思う。

2010年6月30日水曜日

高校無償化?まずは義務教育の無償化を

 公立中学校の教員なので、子供手当とか高校無償化とかの前にまずやることあるだろうと思ってしまう。
 義務教育の無償化だ。公立中学校は授業料こそ取っていないが、資料集だ問題集だと教材費を徴収しているし、制服や体操着、そして給食費がかかるため、数万円の出費を家庭に強いる結果になっている。これって義務教育は無償で行うって法律に反してないだろうか。給食費とか食べ物はともかく、テキスト類を授業で使うのなら無償であるべきだと自分は思う。

2010年6月21日月曜日

教職員組合

 組合の先輩にはずいぶんお世話になっているし、思想的に共感できる部分も多いのだけれど未加入だ。
 自分の組合のイメージは国旗国歌論争によって形作られたと言ってよい。何が正しいかよりもその戦術が見ていて歯痒く、無駄に会議を長引かせているようにしか見えなかった。
 思想心情の自由を言うなら、他人が信じる宗教を悪し様に罵るのでは無く、尊重しつつも自分は異なる考え方であることを主張すればいいだけなのに。あまりにおとなげない闘争を見せられ、初年度から全く加入する気になれなかった。
 異動とか労働条件のこととかを考えるととても頼りになるのだけれど、入ると他の部分で足並みを揃えることになるのが堪えられなかった。それは今でも同じだ。つい最近、研修の強制について組合に問い合わせてみたところとても親切に対応してもらえた。労働条件は改善すべきことも多い。それでも加入しないのは、やっぱり細かい部分で共感できないところがありすぎるからだ。こちらの都合で申し訳ないが、このささいな食い違いを無視できるほどには困っていないというところだ。