2011年2月1日火曜日

小中連携

 もう10年くらい前から盛んに、いや無理矢理話題になるトピックに「小中連携」がある。小学校と中学校の教育活動を連携させようというしごく真っ当な取組なのだが、現場では余計な仕事扱いだ。
 お上がやれという連携がピントハズレで通常の教育活動に支障をきたすことばかりなのだ。小学校に中学生を連れていって授業の手伝いをさせるとか、中学校の部活動に小学生が体験入部とか、小学生相手に中学校の教師が授業をしたりチームティーチングをするとか、素人の思いつきのレベルで教育の専門家ならいや、現場を知っている人なら提案しないだろう。
 どこの学校だって通常の教育活動を行うことだけで精一杯。余計な活動はできれば避けたい現状にある。授業の質や、レベルの維持ではなく、授業時間数の徹底管理を始めたのはお上であり、そのことで伝統的に続けてきた行事を切らなければならない状況なのに、そこに思いつきとしか思えない小中連携行事を突っ込もうというのだから抵抗があるに決まっている。時間は有限なのだ。
 自分は小中連携の研究校として2年間研究をやったが、でた結論が「無理」だと本当は発表したかった。偉い人がきて非現実的な物語を語っていったが、たぶん全員がそんな絵空事の連携なんて無意味だと思っていたことだろう。お上から出る色々なアイデアはお金も時間も使わないでやれという無理難題ばかり。授業は減らさず行事を組むことがもう無理だって現場の人間は誰だって知っている。